このサイトについて
アイヌ語古記録データベース(Early Records Database of the Ainu Language, ERDAL; Aynuitak Huskokampi Aomarepu)では、アイヌ語が文字で書き留められた古い記録を、人にも機械にも読める形にして公開しています。語彙集は、見出し語と当時の綴り、典拠付きの現代アイヌ語形からなる構造化データにし、辞書やコーパスに取り込める形で配布します。散文や紀行は、所蔵機関の画像と照合して読みやすく整えた校訂本文として提供します。翻刻はみんなで翻刻「アイヌ関連資料」プロジェクトの参加者によるもので、画像と並べて読めるほか、TEIとCSV、JSONでダウンロードできます。
経緯
『蝦夷方言藻汐草』をはじめ、アイヌ語研究の土台になる古い記録は、翻刻はあっても手に取りやすい形では公開されてきませんでした。2026年4月、みんなで翻刻に「アイヌ関連資料」プロジェクトを立ち上げて協力を呼びかけたところ、半年足らずのうちに参加者の手で大半のコマが翻刻されました。このサイトは、その翻刻を研究に使える形に整えて公開するという約束を果たすためのものです。
できること
語彙集は一行ずつ見出し語と当時の綴りに分け、現代アイヌ語形を確度と典拠付きで添えた構造化データにしています。綴りと現代語形を双方向に検索できるので、当時の記録を現代の辞書と突き合わせて読め、データはそのまま辞書やコーパスの材料になります。散文や紀行は、画像と翻刻を並べて読めるうえ、画像と照合して読みやすく整えた校訂本文を用意していきます。記録そのものは書かれたとおりに残し、校訂や現代語形は編集上の層として区別します。本文はTEIで、語彙データはCSVとJSONでも配布しています。
翻刻した人
翻刻はすべて、みんなで翻刻に集まった参加者が無償で引き受けてくださったものです。呼びかけから半年足らずで大半のコマが読み終えられたのは、一人ひとりが自分の時間を割いてくださったからで、このサイトはその厚意の上に成り立っています。各コマにはそのコマを手がけた人全員のハンドルネームを、書き換えた文字数の多い順に記しています。
翻刻の状態と同期
各コマの状態(未着手・翻刻中・翻刻済)はみんなで翻刻の記録をそのまま引き継ぎます。翻刻はプラットフォーム上で誰でも編集できるので、そこで修正すると次の同期でこのサイトにも反映されます。画像との照合と語形の解釈は、翻刻とは別の層としてデータに記録しています。
名前とアイコン
アイヌ語名のAynuitak Huskokampi Aomarepuは、aynu itak(アイヌ語)、husko kampi(古い紙)、a=omare pu(物を入れておく倉)を並べたもので、アイヌ語の古い紙をしまっておく倉という意味です。頭文字を取るとAHAになりますが、ahaはアイヌ語でヤブマメ(Amphicarpaea edgeworthii)の名でもあり、地中に実る豆を掘って食べました(田村1996、千葉2002ほか)。サイトのアイコンはこの豆をかたどっています。
ライセンス
翻刻はCC BY-SA 4.0で公開されています。これはみんなで翻刻の翻刻データに共通する条件で、利用するときはみんなで翻刻「アイヌ関連資料」プロジェクトの参加者による翻刻であることを示してください。このサイトで翻刻から作った語彙データなども同じ条件です。画像は各所蔵機関のもので、それぞれの機関が定める条件のもとでIIIFサーバーから表示しています。条件へのリンクは所蔵本ごとに置いています。
関連サイト
このサイトはaynu.orgの一連のサイトのひとつです。各資料の書誌(著者、成立年、所蔵、先行研究)はdb.aynu.orgにあり、両サイトは同じ資料識別子で互いにリンクしています。同じ作りの姉妹サイトとして、バチェラー訳1897年のアイヌ語新約聖書を原綴と現代正書法で並べたbible.aynu.orgがあります。ここで解釈した現代語形は、コーパス検索のcorpus.aynu.orgとaynu.orgの辞書類に取り込み、当時の綴りから現代語の用例へたどれるようにしていきます。翻刻そのものはみんなで翻刻「アイヌ関連資料」で続いており、画像は各所蔵機関のサーバーと、一部は国書データベースから配信されています。