アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language Aynuitak Huskokampi

蝦夷紀行 Page 8

Ryukoku University Library · 491.7-26-W-3 · Image terms · IIIF manifest

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尽さすして帰り来らんも再見を命せられし其詮あ

るましく思ひ何卒東韃入貢の時に至て伴ひ行ん事を

約せんと思ひ日頃媚置し女夷等に語りて其事を説せ

けれは男夷事故なくうけがい幸近き内彼地に趣く

事成れは船の事を挟候て行へしと約しける故

書を作りて従夷に渡し其外是迄訊置し此後の

事ともつゝりたる書物は悉く是に託し我万一彼

地にして死亡の事もはかりかたく旦は異域に入

事なれは如何なる事ありて帰り来たる事を得さ

らむもはかりかたし其時ハ汝是を持帰りシラヌシの

府に捧くへしと命し置ノテトの土夷四人男夷のみウヤ

クトウの夷三人男一人女一人児夷壱人林蔵を会して八人山旦

長凡五尋余巾凡四尺計一艘に乗組六月廿六日ノテトの崎を発

して東韃地方に赴しに其日風が為あしく潮路又

つよく起り軽軟の夷船是を凌行事あたはす終に

船を返してラツカの崎に至りぬるに日々風波あしく

日数五日の間此所に繋泊す時三伏の候といへとも風

殊に冷に烟霧日々濃朦として衣裳の潤湿する事

雨中に蓑笠をつけさるか如し此所産魚少く大

抵滞泊中万実を食となすゆへに腹中痞痛して

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