Ryukoku University Library · 491.7-4-W-2 · Image terms · IIIF manifest
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右丁
難きといふ時に杣人来りて其馬か二里程山奥の沢辺に至
るとしらせたるに仍て急き又捕へに往たる由言ける暫く
過て彼馬を牽来りたり予取あへす打乗て行先急き
なから道すから人の風俗を見るに太古の風は斯も有
へきかと思はるゝ也馬子一人にて馬を五匹繋きつれて率往
来するを見るに屈曲の山路にて人足もあからさる険阻の
山坂を往来するに難しとも見へす又夫より遥に通て
浜辺に出て通りけるに渚に飼馬と見へて六七疋居るを見
たり馬子我にいひけるはしはらく馬を駐めて待居
られたまへといふて渚端に行我手綱を取て馬をとゝ
左丁
めて待居候に彼馬子渚端の馬を撫まはし能見て戻
れり予不審に思ひ其故を問ふ時に馬子曰二十日はかり
以前野放しに仕置たるかたつねても未見へす候て渚端の
馬某の馬に能似たる故得と捕へ見れは某か馬に非す
と云予失ひたるかと思へは馬子云もし熊にとられたるか
生てたに居は終にはいつか尋ね当る也といへり扨は牛は
松前最寄の銭亀沢といふ所に少々あり後々に漸々と
殖へき勢ひ也
塩竃なき事
一 松前は干魚塩肴を国産の稼穡とする土地なれは日本