アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language Aynuitak Huskokampi

蝦夷草紙 Page 39

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右丁

  廻り東浦を乗る時に友船三艘有しか昼過より

  俄に雲霧起り先の友ふねも見へわかす友船に後

  れしと岩小島の間をあはてふためき械を掻かせ急

  きけれとも友船は終に見へす雲霧はいよ〳〵深く

  也風起りけれは頻にいそき既に日も暮合に及ひた

  り時に水主の蝦夷人に土地の容子を尋れとも此辺

  は初て通船せしといふ依て案内を求むへき便はな

  く雲霧は弥深く風は強く波濤は高く崖に船

  をよせて見れは険阻成岩崖にて波浪高く湾き巻

  て海水逆立中にいて船を着へき所もなく是非なく

左丁

  沖の方へ出れは日は暮る雲霧はふかく十方闇く

  成に船覆るを待のみ然るに同船に乗組たる内に

  占を得たる蝦夷人ありて占をはしめたり萁占の程は

  萁蝦夷の額の上へ魚の骨を載て呪を唱へ首を垂

  れ彼骨を席前に落し居たる有さまを見て考

  の様子をいふ其意に任せ漕行磯辺とおほしき方へ

  船をよせて見れは少しの岩間の泊ありて船を着たり

  誠に辛き一命を助りて船より上り岩の中段に登り

  巌崫に宿しけり食物もなくたゝ火を焚て安

  堵の思ひをなしたるのみ爰に蝦夷ともは食事も

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