アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language Aynuitak Huskokampi

北海随筆 Page 11

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右丁

  にてはでにはなし奥羽の湊々にいつれもおとりあれ

  とも松前別して上手のよし京都の通路自由成故

  なるへし八月よりは冷気強く九月ははや雪も降冬の景気

  になるまゝ冬かまへの用意家々にいとなみ春まては何の

  業もなく雪の内にて明しくらすなりすへて四時気候

  ひとしからす春の中は余寒強く草木に春気の萌も

  見へす海風漂烈くして山々の雪さへかへり暮春とても

  雨ふる毎に霰ましりの雪ふりて江戸の早春余寒の

  強きごとし四月中旬頃よりやう〳〵梅桜ほころひ

  かゝりて五月に成て椿山吹藤なとも一同に咲そろひ

左丁

  始て春の気色になれり士暑のものは帷子をも着すれ

  とも他方の者は袷ひとへ物にて時気にかなへり土用中

  とても大暑のしるしなく七月下旬になりて一際暑気を

  覚ゆる事ありされとも終日あつくたへかたきにもあらす

  昼過より暑気になりて夕陽に及ふとはや冷気すさ

  ましく綿入をも着する程に覚ゆ此暑気とても久し

  からすして其儘冷気に移るなり江戸に比して暑を

  見れは四季ひとしからす春秋冬三気国とも云へき

  なり

一 蝦夷地広大也松前城下より西方はソウヤまて 三百

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