アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language Aynuitak Huskokampi

北海随筆 Page 26

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右丁

  魚あり形は海エイ魚のことくなり腹内にあふらわた

  ありき蝦夷人の珍味とする所也キナホウをとれハ腹を割

  て油わたをとり其かわりにいなおいを入て海へ放す

  あつて死する事なし死セさるといふ事ハ腹内にイナ

  ヲイのあるキナホウ度々取あてたる事ありイナヲイ

  とは木をけつりかけて人の形のことくに作れりこれ

  蝦夷の船たまにて神のことくに渇仰セるもの也西海

  にはかわりたる魚なし鯨は多し是も春夏は南海へ

  出て秋より冬は北海へかくるゝなり一説に冬中は

  タライカイの沼へかくれ居て春は南へ出る夫故背に

左丁

  牡蠣生する有といへり大鯨の浮みたるを遠く望み見れハ

  背は既に白く見ゆる是牡蠣の生したるなりといへり又

  鶴鶏鴻雁の類春は北へ帰る蝦夷地深山の沼には夏虫も

  岸陰に潜て群居セりウチウラヶ嶽の大沼小沼を

  土用中通りしに鶴鶏鴨等群居セりシリヘツシコツの

  沼には猶更あるよしなり

一 松前にて田作セさる事は寒国とて土地に合さる故

  なるか又田作の時節鯡猟と差合ふ故古来ゟ耕し

  心見るものもなきか近来津軽もの来てオヨベといふ

  ところへ少計り植付心見し所に生立は其宜敷

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