アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language Aynuitak Huskokampi

北海随筆 Page 25

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右丁

  とても以前のことくにセは夥しく屈事也シヤクシヤヰンはシヒ

  シヤリといふ所の蝦夷人にて制強者成故東西手近き蝦夷人

  ともを手下につけ松前へ敵セしなり仕置延引セし内に勢ひ

  強大になり三年にわたりて戮セられたり元文元年まて

  七十年なり惣て東蝦夷は制強にしてやゝもすれハ松前の

  今を蔑にセりキイタツフアツケシクヌリのあたりは別して

  取扱ひ六ヶ敷となり去々年もキイタツフにやかましき事

  あり去年は商船の行事やめられたり

一 東海にヲキナといふ魚あり其大さ何程といふ事を知らす

  鯨を呑といへり春夏は南へ出て秋よりは北海へかくる

左丁

  東蝦夷の漁船ともは度々出合て是を知れり浮上る

  事は稀なり海底雷のやうに唱て波浪あらくなり

  鯨鯢東西にわしる#1時は必ヲキナ来れりと知て猟毎とも

  早く逃帰るなり稀に浮みたる時見れハ大なる嶋三ッ四ッ

  出来たることくになるは背の鰭なるへし全体を見たる者ハ

  なしといへり又カミキリといふ魚ありて鯨を切て喰ふ

  是は小魚にて近蝦夷にもあり鯨の死て流るを見か

  けれハ小船にて鯨へ乗移り切取時是を見るにカミ

  キリの切たる跡あり又鯨の臠の浪に浮みて家来る

  事あり是もカミキリの所為なり又キナホウといふ

Notes from the transcribers

  • わしる  走る、動く、逃げる、流れるを指す古文。     自動詞ラ行四段活用 c-40dca7c6
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