Aynuitak Huskokampi Aomarepu アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language

蝦夷草紙 第32コマ

龍谷大学図書館 · 491.7-4-W-2 · 画像の利用条件 · IIIFマニフェスト

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  1. 三上正昭 448字
2026年5月30日保存
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右丁

  思ふやう唯今迄器も多しといへとも誠に類の無器

  物也とて大に悦ひ珍器珍宝を求得たる高慢の意

  はし是を弘めんと思ひ俄に濁酒を造て近所村近郷

  の乙名の長夷等を扣きうけ彼器物弘めの酒宴を

  初めけり時に彼挟箱を持出して濁酒を十分と盛り

  座敷の中央に閣きたり来客の乙名蝦夷とも此器

  物見て肝に銘し古今に比類なき珍器也と甚た

  賞翫してほめそやしけり酒宴も既に終ん比に彼挟

  箱も明けれは内を張たる金光紙は皆兀けにけり

  是を見て一坐の長夷をはじめ大勢大に興をさまし

左丁

  気毒かりけれは亭主の大に怒りて曰我此器物

  を求めし時は莫太の代呂物と交易せしに如斯の

  紛れ物を以て我産物をうはひ取たるならんとて憤り

  て頓て運上小屋に行通詞長右衛門に進ていわ

  く彼珍器は全く紛敷物ならんか濁酒を盛たれは内

  は尽て兀けたりといふ爰に長右衛門これを聞て大に困

  り全以紛れ物には非す彼器物は衣類を入る箱にて

  水を入れる箱にては無事を能々詫ひけれは漸々不有

  せしとなり代呂物莫太に出して交易せし珍器の

  思ひ入の違ひたるより唯一途に誑らかされ歎かれたる

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