University of Tsukuba Library · Image terms · IIIF manifest
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右丁
一 船乗のもの共いひけるは大洋へ漂流して方所を失ひ
いつれへなりとも国ある方へ寄セんする時は雲を望んて
是を知る根ありて立たる雲をわうりやうといふ是を
見当に乗付ると必此下に山か嶋かあるといへりハホロの
大洋へ漂流セし者のいひけるは西南北を望めハわうりやう
なしまれに晴天の時申事に当りて幽かにわうりゃう
見ゆる事ありいつれの国といふ事をしらさるよし也
着は朝鮮なとにても有へきやされハ蝦夷商人の云けるは
ハホロは朝鮮と対してあると古来よりいひ伝へたり其
方所いつれといふ事さたかならされとも余り遠きやう
左丁
にも覚へす其故は三十年以前 憲廟の御代朝鮮の
官人リセンタツといふもの此ハホロ江小舟にて漂着セり
下官壱人商人壱人召連たり松前より江戸へ御注進
有て江戸へ被召御吟味有けるに漂着にまきれなき故
対馬へ渡され無恙帰国被 仰付たるとなり江戸へ御注
進の往返の間松前に有ける内好みに応して書たる
墨跡今に所持の者あり能筆にては無りけるよし
なり又十年以前西蝦夷へ交易の商船暴風にあひ
朝鮮へ漂着セしを対馬へ送り帰し江戸にて御吟味
にあい別条なき故松前へ渡されける事もあり