アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language Aynuitak Huskokampi

北海随筆 Page 19

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右丁

一 船乗のもの共いひけるは大洋へ漂流して方所を失ひ

  いつれへなりとも国ある方へ寄セんする時は雲を望んて

  是を知る根ありて立たる雲をわうりやうといふ是を

  見当に乗付ると必此下に山か嶋かあるといへりハホロの

  大洋へ漂流セし者のいひけるは西南北を望めハわうりやう

  なしまれに晴天の時申事に当りて幽かにわうりゃう

  見ゆる事ありいつれの国といふ事をしらさるよし也

  着は朝鮮なとにても有へきやされハ蝦夷商人の云けるは

  ハホロは朝鮮と対してあると古来よりいひ伝へたり其

  方所いつれといふ事さたかならされとも余り遠きやう

左丁

  にも覚へす其故は三十年以前 憲廟の御代朝鮮の

  官人リセンタツ李仙達といふもの此ハホロ小舟にて漂着セり

  下官壱人商人壱人召連たり松前より江戸へ御注進

  有て江戸へ被召御吟味有けるに漂着にまきれなき故

  対馬へ渡され無恙帰国被 仰付たるとなり江戸へ御注

  進の往返の間松前に有ける内好みに応して書たる

  墨跡今に所持の者あり能筆にては無りけるよし

  なり又十年以前西蝦夷へ交易の商船暴風にあひ

  朝鮮へ漂着セしを対馬へ送り帰し江戸にて御吟味

  にあい別条なき故松前へ渡されける事もあり

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