University of Tsukuba Library · Image terms · IIIF manifest
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右丁
セし事あり雨後晴天の朝房州の山より勢州の浅間山#1
見ゆるとなり又琉球人も仙台へ漂着セし事もあり梅雨
後の順風に日向より江戸へ直乗心易しといへり金花山より
蝦夷シコツ嶽の焼る響雷鳴のことく近く聞ゆるといへり
シコツはアツケシよりも江戸乗近しと云々故にアツケシより
江戸乗近しとはいひ伝へつれとも海上の事順逆の風に
よりて遅速あれハ行路遠近の程しかと極めかたし
殊更一両度のみ乗たる事にて往返の里数にあらされハ
大洋へ押出し辺際しれさる事故近きともさしたるに
計りかたき事なり惣して西海は乗よく東海は乗
左丁
かたし西海はみなと〳〵多く第一雲霧うすし然れとも
九月よりは波あらくして乗かたく東海は湊々遠くして
雲霧ふかく朝暮に方所を失ふ又東南風あらき時ハ
つなみのことくなる一打きりの大波ある事海中不思義
の変なり又黒潮といふ事ありて大洋へ乗出して
風ゆるまる時は此潮にとられて東方へ引落さるゝ事有
奥州筋江戸廻しの材木船行末しらすに成たる事年々
かきりなき事なり 御当世東海廻りの御城米被
仰付筑前屋作右衛門といふもの相勤今に至て酒田御廻
米之内数十艘東海を廻りて江戸着する也是又度々
Notes from the transcribers
- 勢州の浅間山 三重県南伊勢町五ヶ所浦にある五つの浅間山。 いづれも標高146m~203mの低山。 — c-40dca7c6