アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language Aynuitak Huskokampi

北海随筆 Page 35

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右丁

  はかりなり鶴の舞といふあり鶴の羽翼ひらきたる

  体にて躍るなり折〳〵鶴の鳴声をまセて拍子を

  とれり甚興に入面白き体なれとも本邦の者見ては

  更におもしろからす上るりは仙台上るりの音にて

  ゆるりと語りたるものなり尤はやめの所も有とみへて

  声音をはりセめてかたる所もあり一様の酒なれハ

  呑尽セるを期とす肴もいらす只のみに呑計り也

  目見済てよりハ町々へも出て商ひをもする也遠蝦夷

  は年々には来らす近蝦夷のみ春毎に来る也予か

  旅宿へも蝦夷両人招き酒を呑セけるに歌をうたひ

左丁

  ける故歌の言葉を通辞へ尋けれハ高き山へ登れハ

  波のよセくる見ゆる高き山へのほれハ波の音聞ゆると云

  事をくりかへし〳〵うたふなりといへり酒済て帰ると

  引続き謝礼として一人は嶋鳥の羽一尻一人はかいくしら

  一掛持参セり来るに連立ては来らす銘々に来れり

  是は東蝦夷松前より百二三十里シラヲイといふ所の蝦夷也

  名はシラノコヲシムカといへり名を尋事其者に尋てハ答へ

  さる法なり是か名は彼に聞彼か名は是に聞事なり此

  二人は御身方蝦夷と申て松前にも功のあるもの也シヤク

  シヤヰンか一乱の時徒党セすして松前へ泥進セしもの

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