アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language Aynuitak Huskokampi

北海随筆 Page 36

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右丁

  ともの末葉なりといへり

一 神仏なく文字なく医薬もなくたゝ酒を呑時唱へ事有て

  祀る様体彼等中に尊信する事あると見へたり何を祀り

  何を唱と尋けれとも其訳を言聞のセす惣して人の尋る

  事をあからさまにいわす愚痴に守りつよし国に神仏の

  像もなけれハ何といふ事しれす若は天を拝し日を拝

  する心もあるか老蝦夷等朝に海岸へ出て拝する体あり

  又戸外にて酒を呑時は天を見て祀る家内にては天

  見へさる故座右の柱へ酒をそゝくなり是天を祀るこゝろ

  なるへし義経を崇敬するといふ事本邦にて云伝れ

左丁

  とも定かに然とも見へす上瑠理の内に義経の事あり義経

  幼年の時小船に乗て蝦夷へ来り八面大王の娘と通し

  大王ある時狩に出るひまをうかゝひ秘蔵セし虎の巻物を

  盗みとり又小船に乗て本国へ逃かへれり大王狩より帰りて

  追欠しかとも津軽地にて暴風に合吹返されたりといふ

  事を作りたりといへり又或筆記に東蝦夷クルといふ所に

  義経の社ありて今にたへす祭り此所の蝦夷はいふに不及

  余村の蝦夷も崇敬するシヤクシヤヰンの時出たるヲニヒシも

  則クルの蝦夷なりといへり此事尋けるに松前中にあへて

  知ものなしヲニヒシか村はサルといふ所なり山中に岩屈

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