アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language Aynuitak Huskokampi

北海随筆 Page 6

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右丁

おこりといふ事あり巳の刻よりおこりて未の刻計りに

止む其おこりやうは海底より潮湧出て四方より

大浪もみ合する故遠く是をのそめは白糸をちらしたる

ことくにて水面一二段も高く見ゆるなり此時に乗掛り

たる船は順風といへとも動く事なく甚以難義に

及ふされとも潮おこりにて破舟する事はなしこの

渡を過て船着の所は則松前城下なり此湊片浜にて

潮あらく海岸岩石多き故乗なれさる船は爰にて

破船する事あり案内知りたる船頭にても雲霧

深き時は難義に及ふなり予元文二巳年帰路の時

左丁

晴て順風故乗船せし所に津軽山の麓にわつか計り

白くたなひきて練#1を引渡したるよふなるものあり

けるにやかて沖へ出波雲霧の内へ乗入とひとしく

空の光も見へわかすくらくなりたる故方所を失ひ

かなたこなたとたゝよひけるまゝにやかて日も暮

山はくもりて猶更行方をわかたさる内亥の刻

はかりに西風吹払て月の光見へけるをたよりにして

丑刻計りに津軽の藤島といふ所へ着たる事あり此

藤島は三馬屋#2の辺にて山の形海の様も覚へたる所

なから雨風にて山は高くなり岩は大に成たる故

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