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国立国語研究所 · 画像の利用条件 · IIIFマニフェスト
このコマの語彙項目 (20)
| 見出し | 語形 | 現代語形 | 典拠 |
|---|---|---|---|
| 襦袢(じゆばん) | ルバハ るばゝ | рубаха 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098045393145893240語釈・考証まくぽりの比定:рубаха /rʊˈbaxə/。 投稿の注記: рубаха「シャツ」 рубаха「シャツ」。ロシア語 /x/ をハで表す。Невский(1936:44)も本附録の rubaha を容易に同定できる例として挙げている。襦袢という見出しは衣服の用途による対応で、和服の構造を持つことを示すものではない。Невский 1936, p. 44 |
| 合羽(かつぱ) | セネリ せねり | шинель 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098045393145893240語釈・考証まくぽりの比定:шинель /ʂɨˈnʲelʲ/。 投稿の注記: шинель「外套」 шинель「外套」。Невский(1936:44)も seneri を шинель とする。語末の軟子音 /lʲ/ がリに対応し、第一音節セの母音は現代標準音とは一致しない。合羽を防雨の衣服として理解した日本側の分類が見える。Невский 1936, p. 44 |
| 頭巾(づきん) | コバカ こばか | колпакъ 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098045393145893240語釈・考証まくぽりの比定:колпакъ /kɐlˈpak/。 投稿の注記: колпакъ「帽子・頭巾」 колпакъ「帽子・頭巾」。子音群 /lp/ の /l/ が写されず、/p/ がバとなった形を想定する。語末カは属格 колпака /kəlpɐˈka/ とも比較できるが、主格の /k/ に補助母音が付いた可能性もある。 |
| 米(こめ) | ビセナ びせな | пшено 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098045757391778250語釈・考証まくぽりの比定:пшено /pʂɨˈno/。 投稿の注記: пшено「キビのむき実」 cf.『漂海紀聞』「米 ヒセナ」 пшено はキビのむき実で、日本語見出し米との穀物分類にずれがある。投稿にある『漂海紀聞』の米ヒセナという比較は、この分類と転写の双方を検討する材料になる。主格 пшено の末尾оは強勢を持つため、ナを無強勢母音の弱化では説明できない。属格 пшена /pʂɨˈna/ は末尾のアと合うが、格を決める句の文脈は残っていない。 『漂海紀聞』のロシア語部分は木崎良平(1980)が検討している。木崎良平 1980『漂海紀聞』のロシア言語篇について 『北槎聞略』の米もビセナと記され、本項目の仮名と一致する。岩井 2020, p. 173「米」 |
| 麦(むぎ) | ムカ むか | мука 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098045757391778250語釈・考証まくぽりの比定:мука /mʊˈka/。 投稿の注記: мука「粉・小麦粉」 мука́「粉・小麦粉」。同じ綴りの му́ка /ˈmukə/「苦痛」とは強勢が違う。麦という見出しは原料と製粉物の関係による対応と考えられる。 |
| 蕎麦(そば) | ギリチフシナ ぎりちふしな | гречушна 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098064736692936910語釈・考証まくぽりの比定:гречушна /ɡrʲɪˈt͡ɕuʂnə/。 投稿の注記: гречихный「ソバの」の方言形 гречушнный гречушна каша「蕎麦粥」 まくぽりが掲げる гречушна を採る。СРНГ 7:138 の第1項 гречу́шный にはソバ製品を表す語義があり、女性形の語尾 -ая が -а に縮まったとみられる гречушна каша с маслом がペルミの用例として載る。語形と「蕎麦粥」という組み合わせに辞書上の裏づけがある。 辞書の見出しは гречушный(н は一つ)で、投稿の説明にある гречушнный との綴りの差を注記する。標準語には гречневый・гречишный がある。ここでは短語尾形の形容詞と断定せず、長語尾形 гречушная の語尾の縮約として検討する。この形容詞だけを採録した可能性はあるが、記録にない каша を本文に補わない。ギリチフシナのフは /u/ に対応する歴史的仮名表記として六月・七月とも比較でき、/f/ や /x/ を含む新しいロシア語形を作る必要はない。СРНГ 7, p. 138, 1. Гречушный, sense 2 Грамота.ру「гречушный」 |
| 粥(かゆ) | サラネイ さらねい | солёный 低 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098064736692936910語釈・考証まくぽりの比定:солёный /sɐˈlʲonɨj/。 投稿の注記: солёный「塩味の」か?cf. каша「粥」 солёная каша「塩味の粥」からか? солёный「塩味の・塩漬けの」というまくぽりの候補を採る。солёная каша の一部を切り取った可能性を指摘するが、каша に一致する女性形は солёная /sɐˈlʲonəjə/ で、男性形 солёный と同じ形ではない。記録のネイには形容詞の格形も比較でき、想定した句をそのまま原文に戻すことはできない。 蕎麦の гречушна と並ぶことは食物を形容する語が記録された可能性を支える。塩の項目はリヽ=соль と解されるので、粥と塩を相互交換して каша を得る関係にはならない。 |
| 酒(さけ) | ビナ びな | вино 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098065120740139284語釈・考証まくぽりの比定:вино /vʲɪˈno/。 вино はワインを中心に酒類を表す。語末の強勢оをナで写した理由は、ロシア語の無強勢母音の弱化だけでは説明できない。属格 вина /vʲɪˈna/ も比較でき、飲酒ヒナヒイの格の議論と関連する。 |
| 砂糖(さたう) | サハラ さはら | сахаръ 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098065120740139284語釈・考証まくぽりの比定:сахаръ /ˈsaxər/。 сахаръ「砂糖」。サハラは属格 сахара /ˈsaxərə/ にも近い。単語を物の量を示す句から採った可能性と、語末 /r/ の後に日本語の母音を補った可能性をともに残す。 |
| 茶(ちや) | チヤ ちや | чай 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098065120740139284語釈・考証まくぽりの比定:чай /t͡ɕaj/。 чай「茶」。/t͡ɕ/ をチヤで近似し、語末 /j/ を別のイで写していない。マイ=май のイと違う表記でも、半母音の有無を直接反映するとは限らない。 |
| 煙草(たばこ) | タンハコ たんはこ | табакъ 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098065120740139284語釈・考証まくぽりの比定:табакъ /tɐˈbak/。 табакъ「煙草」。タンのンはロシア語の標準形に対応する音がなく、語中бもハで記される。日本語・アイヌ語にある煙草の名称との接触も検討し得るが、この項目だけで語形の混交や借用経路を決めない。 |
| 塩(しほ) | リヽ りゝ | соль 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098065120740139284語釈・考証まくぽりの比定:соль /solʲ/。 投稿の注記: 「ソリ」の誤写か?cf.『北槎聞略』「塩 ソリ」 まくぽりはソリの誤写を想定し、соль と比定する。ヽを繰り返し記号として残した記録形リヽと、修正案ソリを分ける。『北槎聞略』の塩ソリは比較の根拠となるが、この版本でどの文字が誤ったかを直接示すものではない。岩井 2020, p. 152「塩」 |
| 大根(だいこん) | レーナカ れゑなか | рѣдька 低 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098065534923530546語釈・考証まくぽりの比定:рѣдька /ˈrʲetʲkə/。 投稿の注記: 「レーチカ」の誤写か рѣдька(редька)「ラディッシュ・大根類」。まくぽりのレーチカという修正案では、軟子音дと後続кの間の無声化をチで近似したと解せる。репка /ˈrʲepkə/「小さなカブ」も音の比較候補になるが、本項目の比定は投稿の рѣдька を保持する。 |
| 菜(な) | レイバ れいば | рѣпа 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098065534923530546語釈・考証まくぽりの比定:рѣпа /ˈrʲepə/。 投稿の注記: рѣпа「カブ」 рѣпа(репа)「カブ」。まくぽりの比定では、菜という広い日本語分類にカブが配される。隣の肴レバ=рыба と形が近いが、レイバのイとバをそれぞれ別の音節・有声子音とみなす必要はない。二つの項目を同じ魚の語とする根拠にはならない。 |
| 肴(さかな) | レバ れば | рыба 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098065534923530546語釈・考証まくぽりの比定:рыба /ˈrɨbə/。 投稿の注記: рыба「魚」 рыба「魚」。Невский(1936:44)も reba を рыба の例に挙げる。ロシア語 /ɨ/ がエ段で写される例で、仮名レから現代標準語の /e/ を逆算することはできない。Невский 1936, p. 44 |
| 飲酒(いんしゆ) | ヒナヒイ ひなひい | вина пей 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098066393434648827語釈・考証まくぽりの比定:вина пей /vʲɪˈna pʲej/。 投稿の注記: 「酒」の対格виноか生格винаか +пей「飲め」 投稿の主たる形は вина пей。вино を目的語とする вино пей「酒を飲め」では вино は対格である。вина を採る場合は、酒の一定量を表す部分的な属格として読むことができる。まくぽりの指摘どおり、動詞の目的語だから一律に属格とすることはできない。 пей は пить の命令形。酒ビナと同様、ヒナの末尾アは вина と音が合う一方、単独の転写から格を確定するには限界がある。語順・意味の対応が可能な二つの分析を併記し、投稿の形を保存する。 |
| 空腹(くうふく) | イシヲホタ いしをほた | ѣсть охота 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098066393434648827語釈・考証まくぽりの比定:ѣсть охота /jesʲtʲ ɐˈxotə/。 投稿の注記: ѣсть охота「食べたい」 ѣсть охота「食べたい」。ѣсть は不定詞「食べる」、охота は欲求を表す述語として用いられる。Невский(1936:44)は本附録の ishiwohota を挙げている。物や状態の名称を問うたところに、話者の欲求を述べる句が記録された例と理解できる。Невский 1936, p. 44 |
| 腰物(こしのもの) | スバカ すばか | шпага 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098069852321890640語釈・考証まくぽりの比定:шпага /ˈʂpaɡə/。 投稿の注記: шпага「剣」 шпага「剣」。語頭の子音群 /ʂp/ に母音を補ってスバとし、/ɡ/ をカで記した形と解される。日本語の腰物という見出しは帯刀する武器の機能による分類。 |
| 脇差(わきざし) | サビラ さびら | сабля 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098069852321890640語釈・考証まくぽりの比定:сабля /ˈsablʲə/。 投稿の注記: сабля「サーベル」 сабля「サーベル」。/blʲ/ の子音連続をビラで近似する。脇差は日本側の相当物による訳で、ロシアのサーベルが脇差と同じ大きさ・構造であったことを示さない。 |
| 庖丁(はうてう) | ノセカ のせか | ножикъ 中 | まくぽり, X, 2026-09-10, https://x.com/mkpoli/status/2098069852321890640語釈・考証まくぽりの比定:ножикъ /ˈnoʐɨk/。 投稿の注記: ножикъ「小刀」 ножикъ は нож の指小形「小刀」。/ʐ/ がセ、語末 /k/ がカで記される。属格 ножика /ˈnoʐɨkə/ も比較できるが、包丁という用途との対応と格の同定は別の問題である。 |