Aynuitak Huskokampi Aomarepu アイヌ語古記録データベース Early Records Database of the Ainu Language

蝦夷方言藻汐草 乾巻 第98コマ

国立国語研究所 乾巻
翻刻済
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国立国語研究所 · W57-2/U36 · 画像の利用条件 · IIIFマニフェスト

着物 ミアンベ▲チミプ▲ミプ

皮衣 ウリ▲カツコロ▲ウル

連着 タレ 【荷縄】【タシ、タンにも読める、クシの誤記の可能性も】着物、皮衣、連着、糸、褌……と続くので、連着も着衣か着衣の一部でないと不自然。また荷縄 tar であるなら、連着という言いかたが謎。やはり身につけるものなのではないだろうか。荷縄も身につけるかもしれないが、着衣とはまた別カテゴリーのような気がする。 書いて有る文字は「タレ」「タシ」「タン」などと読めるが「クレ」「クシ」「クン」等の誤記という可能性もある。。[バチェラーの辞書に「eoikushi 着る」ならあった](https://dl.ndl.go.jp/pid/1700067/1/158?keyword=%E7%9D%80%E3%82%8B)。e-o-i-kushiとかに分解できないだろうか? ただしkusiに着るの意味はなさそう。

糸 カー

褌 チヨースケ さかりベラケツ

女ノ褌 イシマ▲イナシ

敷物の苫 チタルペ

帯 クツチ▲クツ

袖 ツ゚チヤ

襟 ヲクシヤコン▲スムシヤム【ヌムシヤム】

縁り ヌイシヤム

裾 チンキ

おくみ ヤルウシ

たすき シマクンタ▲フシユヨライ

袖口 シヤケシ

固有名・語句 →

このコマの語彙項目 (16)

見出し語形現代語形典拠
着物ミアンベ ▲チミプ ▲ミプ 推定機械読解ミアンペBatchelor 1938 Mi-ambe「n. Clothes. Syn: Amip.」
皮衣ウリ ▲カツコロ ▲ウル 中機械読解・辞書照合済ウㇽ平山裕人 2013 第3部 ウリ「① 皮衣;② 毛皮 (ウル)」(②は萱野辞典による); 田村すず子 1996 ur「毛皮の上着、 外套。…」
連着タレ 中機械読解・辞書照合済タㇻ萱野茂 1996 tar「背負い縄:シナの木の皮,ツルウメモドキの皮,ハイキナ(イラクサ),カパイ(背の低いイラクサ).…」
糸カー 高カ田村すず子 1996 ka 糸; 萱野茂 1996 ka「も,〜でも.… / シラミの卵. / (糸で作った)罠. / よ.…」; 平山裕人 2013 カー
褌チヨースケ 未解釈
さかりベラケツ 推定機械読解ペラケッ平山裕人 2013 第3部 ベラケツ「① 褌;② 〈方〉の「ふんどし」にない」
女ノ褌イシマ ▲イナシ 低機械読解・辞書照合済イㇱマ萱野茂 1996 isma「ラウンクッの端の方に下がっている菱形の布,菱形布.…」
敷物の苫チタルペ 高チタㇻペ田村すず子 1996 citarpe 【ci-tar-pe】敷きもののござ; 萱野茂 1996 citarpe ござ; 平山裕人 2013 チタルペ「① 敷物の苫;② ござ(チタㇻペ)」
帯クツチ ▲クツ 中機械読解・辞書照合済クッ平山裕人 2013 第3部 クッチ「① 帯;② 帯(クッ) / ① 白藤(にきよう);② 〈植物〉サルナシ(kutchi) / ① こくわ;② コクワ、サルナシの実(kutchi)」(②は萱野辞典による); 田村すず子 1996 kut「(所は kuci(hi) クチ(ヒ)) 帯。… / (所は kuci(hi)? クチ(ヒ)) のど。… / ひどい岩崖。…」
袖ツ゚チヤ 低機械読解・辞書照合済ト゚サ田村すず子 1996 tusa「(病気や傷が)治る、 治癒する、 癒える。… / 袖。…」
襟ヲクシヤコン ▲
ヌムシヤム校訂
原文:スムシヤム〔ママ〕
校訂理由

原本はスムシヤム〔ママ〕。同巻34コマ14行「膝の上」はヌムシヤムで、画像でも初字ヌを確認できる。平山裕人2013『アイヌ語古語辞典』第3部 s.v. ヌムシヤム² は「襟」を「前衿(ヌムサム)」に対照し、Batchelor 1938『アイヌ・英・和辭典』p.338 s.v. Numsam も「衣類ノ前襟」とする。これらにより初字スをヌに推定校訂する。

中機械読解・辞書照合済オㇰスイ平山裕人 2013 第3部 オクシヤコン「① 襟(えり);② 襟(オクスイ)」(②は萱野辞典による); 萱野茂 1996 oksuy「襟(えり)=ヌㇺサㇺ.」
縁りヌイシヤム 中機械読解・辞書照合済ヌイサㇺ平山裕人 2013 第3部 ヌイシヤム「① 縁(へり);② 衿(ヌイサム)」(②は萱野辞典による); 萱野茂 1996 nuysam「衿.」
裾チンキ 中機械読解・辞書照合済チンキ平山裕人 2013 第3部 チンキ「① 裾;② 裾(チンキ)」(②は萱野辞典による); 田村すず子 1996 cinki「(着物の)すそ。…」
おくみヤルウシ 推定機械読解ヤルㇱ平山裕人 2013 第3部 ヤルウシ²「① おくみ (※「和服で、前の左右にあって、上は襟につづき下は褄に至る半幅の布」のことだが、アイヌ語単語集にそれが載るだろうか?);②」
たすきシマクンタ ▲フシユヨライ 推定機械読解シマクンタ平山裕人 2013 第3部 シマクンタ「① たすき;②」
袖口シヤケシ 推定機械読解サケㇱ平山裕人 2013 第3部 シヤケシ「① 袖口;②」

翻刻者のメモ

  1. 着物、皮衣、連着、糸、褌……と続くので、連着も着衣か着衣の一部でないと不自然。また荷縄 tar であるなら、連着という言いかたが謎。やはり身につけるものなのではないだろうか。荷縄も身につけるかもしれないが、着衣とはまた別カテゴリーのような気がする。 書いて有る文字は「タレ」「タシ」「タン」などと読めるが「クレ」「クシ」「クン」等の誤記という可能性もある。。[バチェラーの辞書に「eoikushi 着る」ならあった](https://dl.ndl.go.jp/pid/1700067/1/158?keyword=%E7%9D%80%E3%82%8B)。e-o-i-kushiとかに分解できないだろうか? ただしkusiに着るの意味はなさそう。 — chinjuh